そうそう、書き忘れていたことがあった。1カットで終わる戦闘も中にはあると思う。1カット目で全滅したら、そりゃそれ以上は続けられないだろうから。
さて、それはそれとして。
どんなものにもTPOというものはある。
もちろん、シナリオにもそれはある。どんなシステムだろうと、ある。たぶん。(たぶんと言うのは、自分が知らないシステムの事は分からないからだ)
だから、カット進行が1カット、もしくは2カット目を全部やらないくらいで終わった方がいい場合だってある。例えば実プレイ時間が短めの環境で遊ばれるためのシナリオであるとか。それだってキャストがきちんと活躍出来ていればいいのだ。
だが、別にそんな制限が無い環境であるならば、そこは好きにすればいい。
折しも、大宇宙OFFが近づいていた。
タイムテーブルを見るに、実プレイ時間はおよそ4時間半はある。
幸い、リサーチは軽く出来ているシナリオだ。
好きにしよう。そうしよう。
使用するシナリオは「女王の受難」。
最初のアクトの時は、変化10Lvとフルアクションから何でも作るイケダさんのキャストと、《買収》でタケミカヅチを着込んだHellbabyさんのキャストの2人がAR5だった。それでも2カット目に突入した。
それ以降ゲストはだいぶマイルドなスペックに落とされたため、今回の戦闘の顛末を聞いて驚いた人もいるかもしれない。
だが、特に驚くには値しない。なぜならゲストは強くなったのだから。最初のアクトの時よりも。
当然の帰結と言える。
最初のアクトではキャストは5人いた。
大宇宙ではキャストが4人だった。
それでも最初のアクトの時より、ゲストは強くなっていた。ルールミスをするくらい強く。(恥ずかしい話だ。だがルールミスを恥じるわけでは無い。そんなものは誰でもする。恥ずべきは奥義の使い方を使い慣れぬ故にミスしたことだ)
もちろん、闇雲に強くするわけにはいかない。別に、全滅させるために戦闘をするわけではないのだ。
幸い、大宇宙OFFでは各卓分の掲示板がウェブで用意され、プレ・プレアクトが行われる。素晴らしいことに自分の卓のプレ・プレアクトは非常に順調に進行しており、各キャストのスペックは問題なく把握することが出来ていた。
これならばどうにかなるだろう。そういったレベルまでにとりあえずゲストを強化する。それでもだいぶ遠慮が見えるような気がしたが、自分にはリハビリが必要だ。この程度がいいだろう。
さて、全滅させるために戦闘をするわけではないといった。
では、何の為に戦闘をするのか?
いや、もっと正確な言い方をしよう――どうして、キツい戦闘をするのか?
別にPLやキャストがキツそうにしていることを愉しむ為ではない。その事が愉しいのか、そうでないのかと問われれば「とても愉しい」と答えるだろうが、それは副次的産物にすぎない。
では何故か。
簡単だ。
PLが輝く瞬間を見たい。
死にそうなキャストを前に、どうすればこの状況を回避あるいは打破できるかを考え抜いて、それを実現させるために必要な経験点を叩き付けた瞬間のPLは、これ以上なく輝いて見える。
キャストが輝く瞬間を見たい。
新たな力を得て成長し、己を圧し潰そうとする状況を食い破った瞬間のキャストは、これ以上なく輝いて見える。
彼らはおしなべて輝いている。
もっと簡単に言えば、格好良いのだ。
様態や演出は様々あろう。無様か、美しいか、雄々しいか。そこはPLが好きにしていい領域だ。彼らは経験点という代償を支払った。彼らにはそれを随意に行う権利がある。
そう、格好良い。
だが、何故格好良いのか?
これは簡単な話だ。彼らはスタイルを貫いた。格好良くならないわけがない。
そして俺は格好良いのが大好きだ。
見たい。それが見たい。
戦闘以外でもスタイルを貫く瞬間はいくらでも見れる。それだって格好良くないわけがない。
でも俺は、戦闘の時のそれが好きだ。それが見たい。
だからキツい戦闘をするのだ。
――本題に入らないまま、まだつづく。