Blossomでサタスペ

BlossomでR&R vol.55に載ってるサタスペのシナリオ「そうだ、俺たちならやれる!」をやってきた。
亜侠たちが大阪市議選の票集めや候補の護衛に東奔西走する、というシナリオ。
あ、ネタバレあるんでよろしく。
亜侠チーム「純粋突撃探偵団」はマリアの紹介でやって来たという男、水戸旅館(みと・とびたて)からの依頼で、昭和初期から議員をしているという歪賂取造(わいろ・とるぞう……漢字あってたかな)の選挙活動を手伝うことになった。
手伝いとは具体的に歪賂先生の護衛&票集め。前金札束1、報酬札束全員に1、当選したらボーナスで札束2という報酬を前に、断る理由は無かった。

歪賂先生が大阪ミナミはアメリカ村で遊説を開始する。最初の護衛はチーム一の戦闘力を誇る荒事屋、チェン・ウラジミール。敵対陣営のリクルートロッキード候補の街宣車と鉢合わせるというハプニングが発生するも、トラブルは回避できた……はずだった。


「持っているAKをぶっ放して追い払います」とチェンは言った。
「本当にやりますか?」そう返したDDは、チェンに性業値判定を要求した。『本能の叫び』ルールの適用である。
(抑制力チェック……!)プレイヤー間に衝撃が走った……かどうかは定かではない。
判定の結果、フレーバーではない本物の7.62mm弾ががアメ村の人混みを切り裂く。
一般人たちの悲鳴とともに「通報」の異能が発動し、やって来た大阪市警にチェンは拘束された。臭い飯表を振った結果、彼に待っているのはシャワー室での陵辱と、このシナリオでの出番はもうないという事実だった。
が、メンバーの様々な努力によって、翌日ブタ箱に一泊するだけで良い、ということになった。


そうして初日は朝イチのトラブル以外特に何もなく過ぎていった。
問題が起きたのは二日目の朝のことだった。

チームリーダー、忠・ライバック(ちゅん・〜)――“版上げ”を越えた男――がリクルートロッキードに呼び出しを受ける。
忠は彼の申し出を受け、マネージャーにして恋愛亜侠の松田ヒカルと共にロッキードの事務所へと向かった。
美人秘書に案内され、個室に通されたのは忠のみ。ヒカルは黒服3人くらいにおしくらまんじゅうされるように別室へ通された。
秘書がビジネスフォンに来客を告げ、スピーカーフォン越しの内線で会見が行われる。周到なことだ、と忠は歴戦の亜侠の顔になる。
ロッキード候補から提示されたのは、純粋突撃探偵団が手に入れた票を買い上げる、というものだった。相手の出方が読めない以上、ここで結論を出すべきではない。忠は「考えておこう」とだけ言い、席を立った。
ドアへ向かおうとした忠だったが、後ろからその手を取ってくる者がいた。
それは先ほどからこの部屋にいた美人秘書であった。名をペイリン・チェン。
「どうしたのかね、お嬢さん」忠がそう言って振り返った瞬間、画面が暗転する。
DDが「無言で押し倒す」を宣言したのだった。
忠がペイリンに骨抜きにされ、「手に入れた票を売ってくださらない?」というお願いにこくこくと頷いている一方で、ヒカルはヒカルで彼女を見張っていた黒服(ただし13歳)を同じ手段で籠絡していたという。
純粋突撃探偵団の苦難がここから始まる。
チェンはブタ箱一泊ツアーで一日丸々抜け。取り上げられると厄介&動ける人間が使えた方がいい、と装備を全部置いていった。正しい判断であろう。
忠は毎ターンの開始時にかかってくるペイリンからの電話(行動するな、という「お願い」)で身動きが取れないどころか、情報収集中に女子高生と恋に落ち(もちろん毎ターン最初にデートのお誘いの電話が来る)、更にニコ動にはまり毎ターン開始時に性業値判定で律らないと動けないという三重苦に陥る。
票集めと情報収集は残されたメンバー……参謀にして娼婦ラジー・デル(48歳女)。中国からやって来た謎の技術屋ノワールみかん。スカジャンを颯爽と着こなしベスパを乗り回す88歳のおばあちゃん道化師ローザ・グエン、そしてヒカルたち4名がフル回転で奔走。
だが票は遅々として集まらず、集まってもいつの間にかロッキード陣営に渡っている。(当然、忠が横流ししているのだが)
苦労して調査を進めたリクルートロッキードの周囲からはクズ情報しか出ず。
伝説の選挙参謀と呼ばれるシーメンス田中の情報を掴み、彼を味方にすれば……というところでグエンがクラッキングに遭いそれまでのリンクを全て失ってしまう。

一同にお通夜ムードが漂う。
だが彼らは諦めなかった。生活が低い連中のサイフ消費追加行動でSL0からSL5まで上り詰め、シーメンス田中の情報を見事に入手した。

時間を無駄にしたくない一同は「ターン終了時の移動タイミングでシーメンスの所に行ったらすぐに……具体的に言うとこのターン内にイベントが発生するか?」とDDに問うた。
DDの答えは「Yes」だった。

シーメンス田中が隠居生活を営んでいるという十三のアパートへ向かったのは、ブタ箱ツアーから帰参したチェン一人。未行動なのは彼だけだったのだ。

チェンがアパートの付近に行くと、一発の銃声が周囲に響いた。
シーメンスが危ない……!チェンはAKを抜き、アパートの階段を駆け上ろうとした。

そこでDDは言った。「チェンはいつ、誰から装備を受け取ったの?」
宣言はなかった。
DDの要求した犯罪の判定をクリアし、改めてAKを構えてチェンが走る。
自転車置き場に隠れていた三下を無視し、アパートの部屋へのエントリーを優先させるチェン。外階段を上がった廊下で追いつかれそうになるが、振り向きざまに打ち放ったAKで三下を沈黙させる。
戦闘屋の面目躍如である。

廊下突き当たりのドアを勢いよく開けたチェンを待ち受けていたのは、三下の持つトヨトミピストルの銃口だった。
DDの攻撃判定の出目は12。必殺である。

「跳ぶ」と廊下から地面に叩き落とされる。落下ダメージはともかく、シーメンスが危ない。その判断は正しかった。
だがセーブ判定は無情にも失敗。チェンは14番表送りとなった。

翌日のこと。連絡もなく、帰って来ないチェンを心配しラジーシーメンスのアパートへ向かう。
彼女は浴室で、頭を打ち抜かれたシーメンスとチェンを発見した。

投票当日のこと。女子高生とペイリンの誘惑を振り切った忠と残されたメンバーによって何とか票を集めてはいたが、予想される票差は絶望的であった。
そんな中、ヒカルはちゃっかりと落とした黒服に連絡を取り、さっさとロッキード陣営へ寝返っていた。

そしていよいよ開票というその時。事務所に詰める一同のところに、「歪賂がいない」と青ざめた顔で水戸がやって来た。投票所が襲撃されているという知らせもあり、一同はそこへ向かう。

投票所にいたのはペイリンと彼女が率いる黒服、三下。縛られて転がされた歪賂、投票箱にどさどさと「リクルートロッキード」と書かれた投票表紙を入れる男だった。

血戦が開始される。
PCは遮蔽を取った敵に手こずり、敵はDDのファンブルに手こずる。
膠着状態が続くと思われたが、三下やペイリンのスナイパーライフルの必殺によって一人、また一人と倒れていく。
グエンのおたから「名酒玉箒」とリーダーである忠の異能「チームワーク」のコンボで粘ろうとするも、時既に遅し。ペイリンの銃弾でグエンが倒れ、純粋突撃探偵団で立っているのは忠だけとなり――ペイリンの降伏勧告に忠が従ったのは言うまでもない。

こうして大阪市議選は新人リクルートロッキード候補の圧勝で幕を下ろした。
勝利に沸き、万歳の声が響き渡るロッキード事務所の中には、ロッキードから札束1つをもらってホクホク顔の忠とヒカルの姿があったという。

めでたし、めでたくもなし。