高揚する心〜「ワンダと巨像」

はいはいワンダワンダ。やってない人には面白くも何ともない頭の悪い長文。
このゲームはひたすら巨像を探し出して倒すゲームだ。巨像の居場所についてはヒントが出るが、実際に辿り着くまでには幾つかのステップを踏まねばならないのだけれど、そのステップでプレイヤーのテンションがコントロールされるのが好きだ、という話。
はじめに大体の方角を見極める。剣を光にかざすと巨像探査光線*1が出るので、それをあちこちに向けてみる。当たりの方角に対しては、ラピュタを指し示す飛行石のごとく光線が集束してアナログコントローラーがブルリと震える。
まずここでテンションが一段階上がる。行ったことがない方角でも、行ったことのある方角でも、今度はどういう場所を経て居場所にたどり着くのかしら、と考えるだけで楽しくなってくるのだ。


巨像の居場所というのはスタート地点*2から遠いので、愛馬であるアグロに跨って駆けて行くことになる。別に歩いても辿り着くとは思うが。歩いていくとアグロが着いてくるので、一人と一頭、のんびり行くのも一興かもしれない。
アグロに手をかけ、騎乗する。当たりをつけた方向に馬を巡らせ、駆けだして行く。荒涼とした大地、力強い岩肌、静かな森、雄大な渓谷……様々な場所を駆け抜け、巨像の元へと向かう。
次の巨像は果たしてどのようなものかと想像し、テンションがまた一段階上がる。


巨像のいる場所に辿り着くと、周辺の風景を映し出すムービーが挿入される。BGMの様子も変わる。これから始まる戦いは一体どのようなものになるのか。考えるだけでテンションが一、二段階上がる。


周辺をうろつくと、ほどなく巨像が登場する。巨像っていうくらいだからデカいのは当たり前。色んな形のやつらがいて、色んな動き方をする。そして登場シーンも色々。どれも煮えててカッコイイ。更にテンションが上がる。


ムービーが終わって戦闘開始。巨像への取り付き方を模索しながら近づく。攻撃をかわし、踏まれないように気をつけながら移動する。テンションは上がりっぱなしだ!
何となく見当が付いたら取り付きにかかる。弱点探しはあまりしない。そんなもん取り付いてから探せばどうにでもなる。いいから早く取り付かせろ! と考えてしまうくらいにテンションが上がっているからだ。家庭内騒音や近所迷惑を考えなければ、叫びながら巨像へ向かってもいいくらいだ。


取り付いた後は弱点を探して移動し、見つけたら剣を突き立てる。取り付くとBGMが替わり、何だか勇壮な曲になる。ただでさえ上がってるテンションがまた上がり、巨像の激しい移動や身体にくっついたちっぽけな人間を引き剥がそうとする様々な行動がそれに拍車をかける。徐々に減っていく握力ゲージと相談しながら、掴まらなくても立っていたり移動できたりする場所を探して握力を稼ぐ。高速で移動する巨像の背を走る時なんかも叫んでいいポイントだと思う。
最後の弱点付近に取り付いた時点で、テンションは最高潮に至る。剣を撃ち込め! 撃ち込め! 撃ち込め!


見事巨像を倒すと、断末魔のムービーが入る。ここからはクールダウンの時間。ゆっくりと崩れ落ちる巨像を眺め、達成感にひたる。
あとは見ているだけだ。倒れた巨像から染み出た黒い何かにワンダの身体が貫かれ、こちらも倒れ込む。闇の中に見えるチカチカと輝く光。祭壇のところで倒れたワンダを覗き込む黒い影たち。光を放ち砕け散る偶像。
これらは一体何を意味するのだろうかと考えを巡らせようとする前に、次の巨像について天の声が語りかけてくる。立ち上がったワンダの元に、アグロがいななきながら近づいてくる。


そして次の巨像、次の次の巨像を目指して再びワンダは出発する。

*1:実際はそんな名前ではない

*2:巨像を一体倒すごとにこの場所に戻される